なぜハゲに対して良いイメージが無いのか

髪が多く抜けて薄げになってくると、ハゲる事への心配を持つ方が多いのではないでしょうか。
遺伝であったりストレスであったり、病気の場合もあります。
ハゲになる要素があるなら、心配になる気持ちもわかります。
しかし、ハゲに対して敏感なのは日本独特のようにも感じます。
昔から外国の方と関わる機会が少なくないのですが、外国の方の多くははげは自然なものと捉え、
はげていく事に対し恥ずかしさや焦りを感じることはほとんどありません。
ならば、なぜ日本人はハゲに対し敏感なのでしょうか。
そもそも昔は頭部を剃ってちょんまげを結っていたり、ハゲに対して悪いイメージは無かったように感じられます。
どこからハゲのイメージが変わってきたのでしょうか。
寺に入るときに髪の毛を剃ることから、髪の毛があることが一般的なものであるという考え方があったのかもしれません。
外国人との交流が出てきたとき、日本独特であるちょんまげについて見直され、
はげさせている者は流行おくれであるというイメージになったのではないかと考える方もいます。
しかし、個人的にはアジア圏独特の、黒髪に原因があるのではないかと考えています。
欧米の方は髪の色素が薄いため、はげた場合でも肌と同化しやすく悪目立ちすることがありませんが、
黒髪の場合、頭皮の色と髪の色が大きく違うため、はげてしまうとその部分が目立ってしまいます。
一部だけ肌が目立つことから目が行きやすく、良いイメージを持ちにくいのではないでしょうか。

スキンヘッドであれば、むしろかっこいいと感じる人が多いように、髪と肌の色の差というものがあるため、
悪目立ちするはげに対し、敏感になるのではないかと考えます。
このイメージが改善されれば、薄毛などに悩む方も減るでしょうが、まだ難しいでしょう。
症状が出始めたら育毛剤を使用したり病院にかかったり、増毛を考える方もいらっしゃるでしょう。
最近の技術はすばらしく、髪の育毛サイクルに合わせた育毛剤を使った治療もあれば、
地毛と見分けが付かないような自然な人工毛を増毛する方法もあります。
また、スキンヘッドにすることで、おしゃれを楽しむと言うのも良いかもしれません。
ハゲることが悪いことだとは思いません。
自分がどうありたいかで、頭の悩みの解決法を探しましょう。

そのハゲを　隠すあなたの　背に涙

私の父はハゲです。側頭部にはまだ黒髪が残っているため、余計にハゲている

のっけから直球ですが、私の父はハゲです。

もともと若い頃から額が広かったのですが、年齢を重ねるにつれてその額はどんどん領土を広げ、今では見事な光沢を放つ立派なハゲ頭。
しかも側頭部にはまだ黒髪が残っているため、余計にハゲている部分が目立つのです。可哀想に、通りすがりの若者に「ハゲ親父ー」と呼ばれたりしてシャイなハートを痛めているようです。

やはり本人も気になるのか、一生懸命頭皮マッサージをしたり育毛剤を使ったりしているようですが、残念なことに今のところはかばかしい効果は現れていません。
しかし人工増毛やカツラなどに踏み切る勇気も持てないらしく、目下足踏み中。

その間にもハゲ領域は進行している模様です。

そんな父の朝の日課は、どうにかしてハゲを目立たなくするための鏡の前でのスタイリング。

側頭部に残った髪を櫛でかき上げ撫で付けて、スタイリング剤で頭頂部域に貼り付け、少しでもハゲ領域を小さく見せようと必死に努力しています

。もういっそ開き直って何もしないほうが楽になれるのではないかと思うのですが、本人のささやかなプライドがそれを許さないのでしょう。
毎朝１０分以上もかけて涙ぐましい格闘を繰り広げています。

娘からすると少々みっともない父の姿ですが、それでも何も言わずに見守ってやるのが武士の情け…と、今日も黙って父の後ろを通り過ぎます。そして一句。

「そのハゲを　隠すあなたの　背に涙」

娘は心で呟くのでした。